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脳内は常に夏真っ盛り!初めてご来訪の方はAboutに目をお通しくださいv *女性向け非公式*

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なんというか…ジム覇でこういうほのぼの(?)を久々に書きました。(それってちょっとどうなの)
ジム覇はプラトニックも好きです。でも鬼畜×インランカポーでも大好物です。シリアスも似合うと思います。ジム覇ってすごいですね…!!!

Read Moreから雲南リクのジム覇です。
ちなみにリク内容(要約)↓
覇王様がおにぎり作るけど、手に水つけるの忘れてご飯粒手につけちゃう。→ジムがそれをぱくってする。
…リク通り、ですよね?(聞くな)書いてて楽しかったです。結構一気に書いちゃったり…(笑)

雲南、リクありがとうございました!

 ***

 考古学を学ぶものとして、実地調査は欠かせない。加えてジムは休みともなれば近くの崖へ行き露頭観察や発掘をするのが常であり、それは既に日課と化していた。それを知っていたからこそ覇王は行動を起こしたのだ。

  ~あさごはん~

 休日の朝。おもむろにベッドから起き上がった覇王は迷わずキッチンへ向かった。そしてカパッと炊飯ジャーを開けると、そこにはほっこりと湯気の立つおいしそうな御飯が炊きあがっている。覇王はしたり顔で梅干しとほぐし鮭を用意した。今日も発掘へ行くであろうジムの為の弁当作りだ。――とは言え、このような場合はおにぎりがいいだろう。片手で食べられて手軽だ。覇王は手を念入りに洗い、清潔なタオルで水気を拭きとってから手に塩を振り、熱いご飯を少量乗せた。その上に梅干しを乗せ、ご飯を被せて握りこむ。しかし、覇王を待ち受けていたのは試練ともいえる出来事だった。
「……くっついた…。」
 手に御飯が付着し、取れなくなるという事態に陥ってしまったのだ。久々におにぎりなど作ったから、流れ作業でうっかり手の水を拭き取ってしまった。無理やり手を離したら凄惨な有様になるであろうことは目に見えている。どうしたらこの状況を切り抜けられるだろう――覇王はキョロキョロとあたりを見回した。しかしどうにかできるようなことは何もない。ジムが起きてくる前に1つは作り終えたかったのだが、これでは無理だろうな、とため息をついたとき、肩口からジムがひょっこりと顔を出した。
「Hi,覇王。朝から何をしてるんだい?」
「じ、ジム?!」
 腕を覇王の腰に絡めたジムの顔が必要以上に近くて、朝から非常に心臓に悪い。高ぶる鼓動を必死で隠しながら、覇王は声を絞り出した。
「べ…弁当作りだ。」
「誰かとHikingでも行くのか?確かに今日は絶好の…」
「違う。」
 ジムの言葉を遮って否定する。首を傾げたジムから顔を背け、らしくない小さい声でもごもごと呟いた。
「…今日も、あの崖に行くのだろう。貴様は熱中すると昼食を摂らんからな。」
「!」
 しかし覇王の声は、確かにジムの鼓膜を揺らす。思わず自分の耳を疑ったジムはしかし、覇王の赤い耳朶に先ほどの言葉を確信した。なるほど、事情は分かった。恐らくダイニングテーブルの上に並ぶものからして、おにぎりを作っているのであろう。ならば――
「…覇王?さっきから手が動いてないのはどういうことかな?」
「…うるさいっ。」
 頬に仄かな朱を滲ませた覇王は、それを悟られたくなくて俯いた。
「――まさか、失敗、とか。」
 図星を突かれ、覇王の薄い肩がぴくりと反応する。それを見逃さなかったジムは追い打ちをかけるように言葉を紡いだ。
「手に水をつけ忘れた、とか。」
 全く以てその通りである。覇王は渋々口を開いた。
「…誰にだって失敗はある。」
「もちろんさ。Ah,確か…鬼に金棒、じゃなくて…鬼の目にも涙、じゃなくて…ダルマさんが転んだ?」
「河童の川流れか?」
「Yes,それだよ。」
 呆れたような溜息をついて覇王が訂正すると、ジムはうれしそうに笑む。それそれ、と言いながら覇王の腰に回っていた腕を解き、覇王の前に立った。
「珍しいな、cookingが得意な覇王が。」
「最近凝ったものばかり作っていたからな…っ、ジム?!」
 未だそのままだった覇王の両手にそっと触れ、ジムはやや乱暴にそれをひきはがした。案の定、悲惨な事態に陥る。文句を言おうとした唇を何かが掠め、その微かな温もりに覇王は黙らざるを得なくなる。ジムはおもむろに覇王の手に顔を近づけ、全く形の崩れていない、ピンと尖った飯粒をその口に含んだ。
「な、」
 にを。金縛りにあっているかのように体が動かない。言葉が喉に詰まって声が出ない。ただ視覚と触覚だけが正常に働いていた。されるがままになっていると、いつしか妙な感覚に襲われる。――ジムの舌が覇王の掌を舐めていた。やめろ、と抵抗したいというのに、力が入らない。ざわりと肌が粟立つが、それが嫌悪感から来ているものではないことを覇王は自身が一番よく知っていた。それは寧ろ真逆の感情が原因で、どちらかというとその事実に嫌悪感を覚える。俺が、こんな奴にそのような感情を抱くとは。しかし事実はどう転んでも厳然たる事実で、確固としてそこに在る。受け入れがたい感情を今のところは不承不承受け入れて、覇王は兎に角この行為をやめさせなければ、と思考を巡らせた。しかしジムの舌が覇王の手を舐る度にぞくぞくと這い上がる奇妙な感覚に、覇王の冷静な思考は強制的に中断されてしまう。
 やがて満足したのか、ジムは覇王の手を離した。
「Thank you for the delicious meal !」
「…俺は朝食か…。」
「very deliciousだったよ、覇王。」
 ニッと笑ったジムが堪らなく憎らしくて、鳩尾に一発入れてやろうかとすら考えたが時計を見て思いとどまる。さっさと作り終えなければ、と水道水で手を洗い、今度は水気を取ることなく塩を振った。ジムをリビングに追いやって覇王は密かに決意を固める。
 今度こそ失敗はしない。ジムに好き勝手されて堪るものか。覇王の決意はジムに知られることなく燃え上がった。

  -Fin-



 雲南リクのジム覇でした。若干覇王様がデレてくれました。書いてて楽しかったです…!

 持ち帰りは雲南のみ可です。
 ここまでありがとうございましたv

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